イスラム教シーア派系武装組織フーシ派が空爆 イエメンで64人の死亡
相次ぐ空爆で、イエメンで空爆による死亡者が増えています。
イエメンの西部タイズ州で、26日シーア派系武装組織フーシ派が市場を襲撃し、子供8人を含む市民が54人死亡しました。さらに、28日西部ホデイダ州で空爆一家で14人が死亡しました。国連は、イエメンで合計64人の死亡が明らかにしました。
国連は、10日間でイエメン各地で空爆が続いていると発表し、イエメン各地で41名の死亡を確認しました。首都サヌアでも空爆が続いています。
率直な感想は、中東情勢の複雑さです。まず、イスラム教のシーア派とスンニ派について勉強しようと思います。
【イスラム教シーア派とスンニ派】
イスラム教は610年、ムハンマドによってはじめられた宗教です。
イスラム教のシーア派とスンニ派の問題は、指導者の継承者による問題だともいえます。イスラム教は政教一致の考えがあり、宗教指導者と政治指導者が分離していません。その指導者はカリフと呼ばれています。カリフを決定するのが一番の問題点で、現在も続く宗教対立が続いてる大きな要因だといえます。
ムハンマドは22年間布教活動を行った後、亡くなってしまいます。ムハンマド没後、カリフを決定するのに争いもなく、分裂することもなく決定することができていました。しかし、カリフはムハンマドの子孫であるべきだと主張する「シーア派」と、話し合いやみんなの意見からカリフを決定するべきだと主張する「スンニ派」と大きく二つの派閥に分離してしまいました。
スンニ派は、現在のシリアに地方にウマイヤ朝を建設します。一方で、シーア派はムハンマドの子孫であるハセンとフセインを支持し対立しますが、結局シーア派はスンニ派に負けてしまいました。
さらに、シーア派はムハンマドの子孫とするべきと主張していますが、約300年後、12代目でムハンマドの末裔が途絶えてしまいます。シーア派の解釈では、現在は悪の状態であると考えていますが、救世主(マフディー)が君臨し、世界の悪を世の中から救出してくれると信じられています。
そして、この救世主を誰にするかで揉めているのです。
イエメンでは、サイドを支持しようという動きがあり、サイドを支持する派閥をサイド派と呼ばれています。
シーア派の中でもっとも大きな支持を得ているのは、ムーサで約85%を占めています。彼らは十二イマーム派と呼ばれ、イランやイラクに居住している人が多いです。
ムーサの兄であるイスマイールを支持する人をイスマイール派が呼ばれ、東アフリカや南アジアに住んでいる人が多いのです。
宗教はなんとも複雑だと感じます。
彼らの歴史・思考等複雑に絡みあっており、現在もこれからも解決が難しいのだろうと感じました。